――淡く透き通ったパステルブルーが私たちの上に綺麗に広がっている。


綿飴のようにふわふわと浮かぶ雲はゆっくりと流れていく。


世界がこんな風に綺麗に見えるようになったのは、いつからだっただろう。


空も雲も、コンクリートから頭を出す雑草さえも、一枚くすんだフィルターが剥がされたように色鮮やかに見えるのだ。


そんな風に見えるのは、頭上からさす太陽の暖かさで頭がうまく働かないからなのだろうか。


でも、今はそんな理由など、取るに足らないものだ。


そんなことよりも、今、この時間こそが大切でならないのだから。