だけど、少し薄暗いリビングの中、テーブルの下でこっそりと繋がれた手だけが、唯一あたたかい。


いつだって彼は、彼だけは太陽なんだ――。


「あの!今日はお願いがあってきました。紗由里さんとお付き合いさせてください」


お互いの手を強く握り合う。


本当はこわくてこわくて仕方ない。


反対されるのをわかっていて、親に何かを言ったことなんてないから。


だから、彼に握られた手は震えて、お父さんの顔なんて見られない……。


「き、君はうちの娘と付き合うのがどういうことかわかってるのか?」