私は、その微妙な間を不思議に思って、彼の瞳を覗き込む。
すると、彼は何故か悪戯っ子のように瞳をキラキラと輝かせた。
「さゆに、光って呼ばれたい」
すぐ隣で白い歯を見せる子供のような笑顔が私に向けられている。
私は予想もしない言葉に、呆然とするばかり。
壁に掛けられた時計の秒針だけが、刻々と時を刻む。
「……は?何でそんなことを」
私は彼から顔を逸らし、先にある整えられた勉強机をぼんやりと見ていた。
彼の言動はいつだって突拍子もないのだ。
今更名前で呼ぶなんて考えられない……。
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