そこには、さっきまでが嘘のように、子供みたいに無邪気に笑う彼がいる。


そして、いつの間にか泣き止んでいた私。


彼は不思議な人だと、つくづく思う。


彼の笑顔は太陽のようにあたたかくて、涙も乾かしてしまうのだろう。


私にはもったいないくらい、優しい人。


あなたがいると、空も木も花も、世界がキラキラと光を放っているように見える。


こんな世界も悪くない――。


そうして彼は、私の額にそっと自分の額をくっつけた。


「俺達付き合おう――」


近すぎる彼の綺麗な笑顔に、私はまだうまくできないけれど、つられるように笑顔になっていた――。