すると、ゆっくり体が離れて、ぐしゃぐしゃな顔の彼がかっこ悪い私の顔を覗き込む。
そして、太陽みたいにキラキラ笑ってこう言ったんだ。
「俺が、さゆに、傍にいてほしいんだよ。ダメかな?」
どこまでも穏やかな陽だまりのような声に心が包まれる。
優しすぎるね、あなたは……。
堰が壊れたように涙が流れだす。
もう私には戻せない。
「……っ、私だって――。あなたのこと忘れようとすると、どうしようもなく苦しいの、痛いの」
私は壊れたみたいに力任せに言葉をぶつけた。
もう私らしくなくても気にしない。
全部優しすぎるあなたのせいだから――。