また、急にあの桜吹雪が思い起こされる。


そう、彼の真剣な表情が……。


〈ねえ、恋ってどういうものなのかな……?〉


私は呟くように返信する。


茜ちゃんの恋の話は色々聞いてきたけど、私には無縁のものだから、何もわからないの……。


〈頭で答えの出るものじゃないでしょ。理由とかはなくて、一緒にいたいって、同じ想いでいてほしいって想うものじゃない?さゆりん、何かあった?〉


頭で答えは出ない……。


その言葉が胸の奥でこだまして、苦しい。


私は心より、頭で答えを出して今までやり過ごしてきたのに――。


もっとわからなくなる。