だけど、まだ何が何だかわからない。 何で私を知ってるの? 何であの呼び方なの……? 「あ、あの、どういうことですか?」 私は愛想笑いを崩さずにもう一度尋ねる。 「覚えてない?光だよ。羽田野光!」 はたのみつる……。 少し思い出そうとはしたが、私にはこんな知り合いいるわけない。 私の外の世界との繋がりは唯一この学校だけなのだから。 でも、じゃあ、間違えそうもない車椅子に乗った人間にこうもしつこく絡んでくるのはどうして? 好き好んでこんなにも声かけてくる人なんていない。