目の前にある階段から地響きのような音が響きだす。
そんな物音に目を丸くしていると、急に前方から何かが飛び付いてきた。
「さゆおねえちゃーん!」
はしゃいだ高い声と、ぎゅっと抱きつく細い腕に、私は状況も飲み込めず呆気に取られるばかり。
「お、おい、はなれろって!さゆ驚いてるだろ」
彼によってやっと引き剥がされると私の前には一人の女の子。
「ごめんごめん。でも、さゆおねえちゃんに会いたかったんだもん!お兄ちゃんだけなんてずるいー」
ハーフアップにしたロングの髪、いたずらっ子みたいに笑うくりっとした大きな黒い瞳。
「……のんちゃん」

