「お前誰だよ・・・。」


後ろから、低い男の声が聞こえる・・・。


「なんだ?」

おれは振り返ろうとした・・・。

その瞬間

「振り返っちゃダメ・・・。」

「な・・・、なんでだよ」


姉のかおが青ざめているのに気づいた俺は、姉の指示に従うことにした。


「次の角、まがって走るよ・・・。」


姉は、きこえるか聞こえないかくらいの声でおれに言った・・・。