「今夜の花火大会行くんですよね?」


「うん、この子達を連れていくのは初めてなんだ」


「そうなんですか?」


「うん」




二人とも花火は好きだけれど、あたし一人では、花火大会には連れていけなかった。


だから、隼人さんの誘いは、正直嬉しかったんだ。




「ボク、はやととはなびにいくんだ!」


「はやと?お友達?」


「うん!」


「お兄ちゃんもお友達と行くよ」


「ボクといっしょだね」




そんな二人の会話を聞きながら、そういえば舜くんのことって、何も知らないなと、口を開く。




「舜くんって大学生?」


「はい、四年です」


「四年?じゃあ、……22才?」


「はい」




22才……


優太がこの世を去った年齢。


優太もこんな感じだったかな。


つい、舜くんをジッと見てしまった。




「絢華さん、泣きそうな顔をしてます」


「あ、ごめんね。……優太がいなくなった年齢と同じだなって思ったら、つい……」




顔を歪めてしまった。