あたしが妊娠してる時……


いつも、あたしの大切な人が亡くなる。


偶然だと言われればそれまでだけど……


蒼太がお腹にいる時はおばあちゃんが、優華がお腹にいる時は優太がこの世を去った。





どうしても……


今回もまた大切な人が――…


って考えてしまうんだ。





「舜は、……いなくならないよね?」


「絢華?」



舜が心配そうにあたしの顔を覗き込んできた。


下腹部を撫でながら



「いつも妊娠中だった」


「何が?」


「大切な人が、……あたしの前からいなくなるのが」



いろんなことを思い出して、目から涙がこぼれた。


やっぱりこういうことは、舜に言うべきことじゃないよ。



「ごめん、忘れて」



そう言って、涙を拭いた。