舜の顔がさらに赤くなる。



「ふふ、可愛い」


「それ、嬉しくねぇよ」



口を尖らせながら言う舜を見ていたら……



「絢華?どうした?」



急激に、大きな不安が押し寄せてきた。





ずっと考えないようにしていた。


でもそれと同じくらい、その考えが脳裏を掠めた。


急に胸が苦しくなってくる。


右手で胸の辺りの浴衣をぎゅっとつかむ。



「絢華?急にどうしたんだよ?」


「舜」



目の前にいる舜の顔が、少しずつぼやけてくる。



「何、泣いてんだよ?」


「……」


「絢華、不安なことでもあんの?俺に話してみ?」



ほんとはこんなことを考えたくないし、口にもしたくない。


でもこれまでのことを思い出すと、どうしても考えてしまうんだ。