「須藤ちゃん」
「はい?」
「ずっと、渡せなかったものがあるんだ」
「……何ですか?」
太一さんは、横に置いてある袋から何かを取り出した。
あたしの前に差し出されたもの……
「これ」
また涙が出てきた。
「ん、優太が使ってたもの。ほんとはすぐに渡すべきだったんだろうけど、泣き崩れてる須藤ちゃんには渡せなかった」
震える手でそれをつかんだ。
優太が高校時代に着ていた赤いユニフォーム。
背中には“FUJIMOTO”という文字が書かれている。
「これは須藤ちゃんが持ってて」
「ありがとう、ございます」
そう言って、このユニフォームをぎゅっと抱き締めた。
「はい?」
「ずっと、渡せなかったものがあるんだ」
「……何ですか?」
太一さんは、横に置いてある袋から何かを取り出した。
あたしの前に差し出されたもの……
「これ」
また涙が出てきた。
「ん、優太が使ってたもの。ほんとはすぐに渡すべきだったんだろうけど、泣き崩れてる須藤ちゃんには渡せなかった」
震える手でそれをつかんだ。
優太が高校時代に着ていた赤いユニフォーム。
背中には“FUJIMOTO”という文字が書かれている。
「これは須藤ちゃんが持ってて」
「ありがとう、ございます」
そう言って、このユニフォームをぎゅっと抱き締めた。



