☆一番星☆

しばらく黙って聞いていたお母さんが口を開いた。



「絢華さん、それからは一人でやってきたの?」


「はい。あたし、親兄弟がいないし、優太……亡くなった夫にも身内がいなくて。でも、職場の先輩達とか、近所の人達にはずいぶん助けてもらいました。正直、一人じゃ無理だったと思います」


「そう、舜は甘やかして育ててきたから、何もできないし、頼りないわよ?」


「そんなことないです!あたしは、舜にいっぱい助けてもらいました。ずっと前へ進めなかったあたしの背中を押してくれたのも……舜です。ほんとに感謝してもしきれないです」


「絢華、じゃあ、俺のプロポーズ受けてくれよ」


「えっ!?いや、それはまた、別問題で」



舜はどさくさに紛れて、とんでもないこと言いだした。