「蓮くんは紗羽の救世主なんだよ。ね?」


「そんなカッコイイもんじゃねぇけど」


「ふふ、あたしは紗羽と蓮くんの愛の物語に感動したけど」


「なんか、恥ずかし。紗羽のことだから、きっと絢華さんにはすべて筒抜けなんだろうな」


「そうかも。でも、恥ずかしいことなんて少しもないよ。あたしは蓮くんにお礼を言いたいもん。紗羽を救ってくれてありがとう。笑顔を取り戻してくれてありがとう……って」


「そうだな。俺も、紗羽が笑顔になってくれて良かった」




蓮くん、凄くやさしい顔をしてる。




「なんか、俺だけわかんねぇ」




横で舜がすねてるし。




「ふふ、今度あたしがこの二人の物語を読んであげるよ」




紗羽にとって救世主が蓮くんなら、あたしにとっての救世主は舜。


あたし達の物語も、蓮くんと紗羽のようにハッピーエンドに向かうといいな。