「はい。少しでも前へ進めるようになったら、話すつもりだったみたいです」




紗羽……


あたしのために……




「カッコイイじゃないですか。好きな女を幸せにするための人生なんて」


「蓮くん?」


「大好きだった、……夢だったバスケより、絢華さんとの幸せな人生を選んだってことでしょ?」




その言葉に、また涙が溢れた。




「ちょっ、蓮!おまえがカッコイイとこ持っていくなよ」


「はは」




紗羽も辛かったんだ。


あたしの知らないことを抱えて……


いつ話そうかと、気を揉んで……


ずっと悩んでいたんだね。


ありがとう、紗羽。


やっぱり紗羽は、あたしにとって唯一無二の、最高の親友だよ。




「蓮くん、ありがとう。やっぱり蓮くんって救世主だね」


「救世主って何?」




舜が首を傾げながら聞いてきた。