「いや、そういう意味じゃなくて」




ひどく勘違いしてない?




「はは、わかってるって」


「あたしへたくそだからさ。いつも優太に“絢華はへたくそだな”ってからかわれてたもん」


「優太さんがうますぎたんだよ。だってバスケ部のエースで、大学から推薦だってきてたでしょ?」


「そうだけど」


「え、推薦くるほどうまかったんだ」




舜が目を見開いて口を挟んだ。




「うん」


「何で行かなかったの?」


「……」




親がいなかったから……


自分一人で学費は稼げないから……


将来のために諦めた……


優太はそう言っていた。




「絢華と早く一緒になるためでしょ」


「えっ、違うよ」


「今だから言うけど、あたし優太さんに言われたんだよ。“絢華を一日も早く幸せにしたいから、大学には行かねぇ”って」