☆一番星☆

「あたしは急がないよ。今こうやって一緒にいられるだけで幸せだもん」


「絢華」




そう言って、舜はやさしく抱き締めてきた。




「俺だって、今のままで十分幸せなんだよ。でも、もっともっと幸せになりてぇんだ。絢華と蒼太と優華を幸せにしてぇんだ」


「舜」




舜の胸を押して少し離れてから、舜の顔を見上げると……




「何でそんな顔をしてるの?」




舜は悲しそうに顔を歪めていた。


両手で舜の頬を包み込むように挟んで、そのままキスをした。




「舜、結婚が幸せへのゴールじゃない。そんな結婚っていう形よりも、舜の“幸せにしたい”って気持ちの方が、よっぽどあたしを幸せにする。舜はあたしがこうやって傍にいるだけじゃ、幸せにはなれない?」


「幸せだよ」