「ごめんな」


「わかってたことだから。あーいうふうに言われること。だから、大丈夫」


「そんなこと言いながら、泣いてんじゃん」




舜はあたしの前にしゃがんで、両手であたしの頬を挟んだ。




「……バレた?」


「バレてるよ。なあ絢華、……周りがどう言おうが、俺には絢華しかいねぇんだからな」


「……」


「蒼太、優華、ちょっと目ぇ瞑ってろ。ぜってぇ開けんなよ」


「やくそく?」


「ん、約束」




二人が目を閉じたのを確認すると、舜はキスをしてきた。




「ちょっ、舜!?」




慌てて、舜の胸を押す。


蒼太と優華だけの問題じゃなくて、ここには人がいっぱいいるんだから!




「はは、絢華、また顔が真っ赤だ」


「もーっ!!舜ばっか余裕でズルい!」


「俺だって、余裕なんかねぇよ。絢華の前じゃ、いつもいっぱいいっぱいだよ」




舜はそう言うけれど、全然そんなふうに見えないのに。