「優太もあたしも、身内が一人もいないの。二人で幸せな家庭を築こうって、そう誓って結婚して……、でもたった二年で優太はこの世を去ったの」




その当時のことを思い出して、また、涙が溢れてきた。




「そんな身だったから、……優太がいなくなったとき、頼る人がいなくて……」




あたしの涙を見てか、話の内容にか、……舜の瞳が潤んできた気がする。




「そんな時、助けてくれたのが、……隼人さんと店長と佳菜子さんだった」




どうしても優太の死が信じられなくて、お通夜、お葬式、四十九日……、すべてこの三人が手配してくれて……


四十九日の法要が終わって数日後に生まれた優華を抱いた時、初めて優太がいないことを実感した。


蒼太の時は仕事を抜け出してまで、出産に立ち合ってくれた優太。


だから、優華を産んで……周りを見ても、優太がいないことに、……ほんとにいなくなったんだと、実感したんだ。