「……想ってくれてる人はいるんだけど、あたしの気持ちがね、追い付かないの」


「ど、どんな人!?」




紗羽が身を乗り出して聞いてきた。




「一人は、たぶん紗羽も知ってる」


「一人は……って何?もう一人いるってこと?」


「うん」


「マジ?絢華、凄いじゃん。で、その一人は誰?」


「ファミレスの隼人さん」


「あー、あのイケメン!?」


「ふふ、紗羽はそう呼んでたよね」


「凄く優しい人だったよね、確か」




あたしはコクンと頷く。


いつも支えてくれてる、温かい人。




「で、もう一人は?」


「蒼太にバスケを教えてくれてる人なんだけど、……まだ大学生なんだ」


「えっ!?」


「今、四年生だって」


「蓮と変わんないね」




蓮くんは紗羽の三つ下で、三年生だもんね。