『待てよ!言い逃げ?』


『そんなつもりじゃ……あたし、想いを伝えるだけで満足なんで』


『俺は満足できねぇけど?』




えっ……


どういう意味?


ほんとに意味がわからなくて、首をかしげた。


そんなあたしを前に、優太はやさしい笑みを浮かべながら、信じられない言葉を口にした。




『俺も絢華ちゃんのことが好きだよ』


『え!?うそっ』


『ほんと、ずっと気になってた』




この日から優太と付き合うことになった。




そのあとすぐに、“優太”“絢華”と呼び合うようになった。


二年間は高校生と中学生の交際。


頻繁には会えなくても、優太にとって特別な存在になれたことが、ほんとに嬉しかったけれど、優太は時々距離を置きたがったりして、ちょっぴり寂しい思いもした。


それでも別れることはなかった。




優太を追って、あたしも同じ高校に入った。


相変わらず優太はバスケがうまいし、かなりモテてていた。


優太のことを好きな先輩からの嫌がらせとかもあったけれど、そんな時はいつも優太が守ってくれた。