「ミカコさん・・・」

あたしに言い聞かせるように彼女は続ける。

「出来る限りの事はします。でも、あなたも充分気をつけてください。なるべく、一人の時は人の多い所にいるようにして・・・。目撃者がたくさんいる中で、あなたに危害を加える事は絶対にしません。あの人はそんな人です」

妻の・・・ずっと彼を傍で見てきた人の言葉。

これ以上、確実な防衛法はないと断言した。

あたしは、力なく「ありがとうございます」と言って見えない相手に頭を下げる。

見方が、一人いるだけで、少し救われる気がした。

明日は非番・・・。

ここで朝まで過ごして、後は駅前で時間を潰そう・・・。

壁に身体をあずけて目を閉じる。

・・・眠る事は出来そうにないけれど・・・・・・。