アナグマさんの動物記【Cat】




ずいぶん勝手な生き物のように聞こえる言い草だが、それでも、自分のところを居心地良いと思ってもらえるのは、嬉しいかもしれない。
ディーはそう思って、腕の中で顎を撫でられるがままになっている仔猫を見る。

「寒ければ暖を取るために人に寄ってくるし、暑ければその逆。人間を相手に遊ぶのは、運動不足解消のため。自分本意だが、とても説得力のある生き方だろう?」
「そうですね……合理的って、自己中心的なんですねぇ」
「さぁね、そう取られることも多いかもしれない。でも、自分が心地好く生活するためには、周りの環境が良くないといけないでしょ。時々甘えてみたりするのは、愛想を尽かされない努力かもしれないよ」
「わぁ、策士だなぁ……」
「でも人間だって、構われるのを嫌がる猫を勝手に可愛がって、癒しをもらって、挙げ句に鼠取りにまで利用してるんだから。どっちもどっち、じゃない?」

まぁ、確かにそうかもしれません。
呟いたディーは、「あ」と声をあげた。