「例えば……さっき、猫は合理的だと言ったね」
「あ、はい、どうしてそう思うんですか? 無駄なことをする、知能の高い生き物なんでは?」
「そうだよ。でもね、猫の行動は、突き詰めれば全て一つの基準に倣っていると、僕は思うんだよね」
ディーは一つ頷いて、無言で続きを促した。
アナグマは、口を開く。
「全ての根本は、『自分のためになるかどうか』。人と一緒に住むのは安全な寝場所を確保するため、人に懐くのは餌をもらうため。寝てばかりいるのは、狩りのためにエネルギーを温存していた野生の名残だね。イエネコはすることがないから寝ているだけだよ」
「なんだか……ずいぶん、人に頼って生きている気がしますね」
「そう思うのは、人間だからさ。猫は一匹でも生きていける。居心地のいい場所を探して、たまたま辿り着いたのが、人間のところだったというだけのことだよ」


