「しかし美しいと感じることもまた、知能が高い証だ。知能の高い、無駄を好む生き物がいなければ、美しいものはなにも意味を持たない。客のいない映画館で映画を上映する意味なんてないし、見る人のいない絵を描いてもどうしようもないだろう?」
「そうですね……うん、何が言いたいのか、なんとなく、わかりました」
「それでバランスが取れているんだといえば、そうかもしれないな。美しい動きしかしない生物がいて、それを美しいと感じる、無駄ばかりの生物もいる」
「綺麗なものを見て綺麗だと感じる生き物は、人間の他にもいるんでしょうか?」
「うん、それはどうだろうね……他の生き物の思考を覗き見ることはできないから」
「できたらいいと、思いますか?」
「まさか」


