「そうか……しかし猫に似ていると言われるのは、それほど嫌な気はしないな。猫は芯が通っていていい」
「芯ですか?」
そうだよ、と、アナグマは笑顔を作る。人を喰うような、それでいて底無しに暖かくて柔らかい、本心の読めない笑顔。
しかしディーは、この笑顔が好きだ。
「猫っていうのは、非常に合理的な行動をする生き物だと思わない?」
「合理的?」
「そう。頭を使う生き物はなにも、人間だけじゃないよ。ディーは動物好きだから、わかっていると思うけど」
「そりゃあ……犬も馬も、カラスやウサギなんかも、頭が良いって言われてますよね。海にも賢い動物がたくさんいると聞きますし」
「そう、人間が頭の良い生き物だなんていうのは、ただの思い上がりだ」


