入江くんは大学近くのマンションで一人暮らしをしていて、
レストランでバイトをしているらしい。


毎日聞きたい声でも
家の電話だもん。
いつ家族が出るかわからないから
かけてなんてワガママ言えないし…

でも、
1日1回
ファクシミリから手紙を届けてくれる。


デート中には
絶対言わない。


大好きな瑠香ちゃんへ。


ってタイトルの手紙は
全てファイルしているの
だって宝物だもん。


寂しい夜は
手紙を何度も読み返して、
きゅん!としているの。


人を好きになるって
本当に心もあったかくなるけど
でも、
それに寂しさが増えていくんだね。


お互い時間が合わないし
私はバイトしてないから
毎週デートってことも出来ないし

近くの公園で
お話しているのも幸せ。


入江くんの隣に座るのは、
まだ緊張して少し距離が出来てしまうけど…

少しずつ二人の時間と共に
距離がなくなっていけばいいんだよね。