モニターに白い文字が浮かび上がった数秒後に腕時計がカウントを始めた。

「鬼始動まで残り2分。」

学校の正面玄関の扉が大きな音を立てて開く。

どうやら校庭だけの鬼ごっこではないようだ。

校庭に隠れることのできる場所はほとんどない。

隠れたければ校内でどうぞと言わんばかりだ。

「海翔君、時間がないよ」

気づくと皆玄関に向かって走り出していた。

「鬼始動まで残り1分30秒。」

校内に入ると腕時計が再び残り時間をコールする。

「まずいな、残り時間がない」

「恭一さん一緒に・・

「いや、それはまずい」

俺の提案はあっさり却下された。

「二人での行動は見つかるリスクが高い、ここは一人ひとりで行動しよう」

そう言うと恭一さんは隠れる場所を探しに行ってしまった。