放課後。
「面倒くさい話ばっかりで疲れたね」
やっと実行委員の会議が終わり、持田君と一緒に私は鞄を置いている教室へ戻るところだった。
「へー、持田君でも面倒くさいとか言うんだね」
「当たり前じゃん。俺、人間だからね」
「えーでも、優等生じゃんか」
「ははっ。何それ。そんな風に俺のこと思ってたの?」
「うん。だって前、消しゴム貸してくれたから」
あの時は本当に助かった。入学したてで亜美とも誰とも仲良くなっていない頃だったから、消しゴム貸してだなんて話しかけにくかったのに。
持田君はそれに気づいて私に貸してくれたんだ。
「え?それだけで優等生の基準になるの?」
「いやー…持田君は優しい貸し方だったから」
笑顔がとても優しかった。
「ははっ。それ、どんな貸し方だよ」
そうやって笑い合っていると教室に着いてしまった。
そして私は初めて現場を目撃してしまった。


