「でも、彼女はやっぱり気づかなかった」
「そうなんだ…。じゃあ、今はその人とどうなったの?」
「は?」
何故か逆に風上君が聞き返してきた。目を少し見開いているから、きっとコレが彼の驚いた顔だろう。
「は?って言われても…
あ、もしかして聞いたらまずかった?」
私がそう言うとはぁと風上君はため息をついた。
いつもクールなのに…なんか貴重だ。
というよりこんなにしゃべるキャラだったっけ?
よく考えてみれば中学の頃、いじめられている私にでも彼はよく話しかけてきてくれていた。実はクールとかじゃなくて本当は話すキャラなのかもしれない。顔が無表情なだけで。
「俺は、"好きな奴の名前"を著者名にしたんだぞ?」
「さっき聞いたよ?千春さんでしょ?凄い偶然だね。私と名前が同じなんて。
…まぁ、千春なんて良くある名前だからそんなに凄くないかもしれないけど…」
その偶然のおかげで私は助かったんだけどね。
私がそう言うと彼はさらに盛大なため息をついた。


