「いえ…そんなことは…」
というより何で私?
冷時とお兄さんじゃなくて私?
でも優しい声で、何だか魅了されてしまいそんな疑問はどこかへ吹っ飛ぶ。やっぱりかっこ良い…
さすが親子だ。
「父さんだけが助け舟か…」
冷時がぽつりと呟く。
助け舟?
「だから、あいつらじゃなく、私と向こうでお話しよう。お菓子と紅茶も出すから」
「お菓子!?」
「父さんまでやめろ!!
千春もお菓子とか安い手にひっかかるな!」
安い手?
だってお菓子食べたい。
絶対高級なお菓子を出してくれるに違いない。…食欲には敵わないよ。
「ハハハ。つい、冷時の慌てようが面白くて…」
「……」
「俺もだ。
いつも冷静なお前が慌てるなんてなかなか見れるもんじゃないからな、つい…、な。
…そんな目で見るなって。大丈夫、手は出さねーよ」
明らかに不機嫌な冷時にお父さんとお兄さんが弁解している。
「…とりあえず部屋行く」
「へぇ、純情を奪うのか?」
「うるさい。兄貴や姉貴とは違うから。
……まだ、しない」
しない?
一体何の事だろう?
…でも、何だか嫌な予感がするので聞かないでおこう。


