そうして俺達が話すようになるのにあまり時間はかからなかった。
その頃には冷時の微表情も区別がつけられるようになっていた。
だけど俺にとって冷時は他の奴より楽だ、というそれだけの関係だった。
そんなある日の事だ。
「冷時が好きな奴って今どうしてんだ?」
コイツの事だ。
こんな顔だから、付き合ってはいるものの、遠距離とかそんなのだろう。
…でも、あんまりコイツがメールの話題とかしないから今まで聞かなかったんだが。
話すネタが尽きた俺は聞いてみた。
「どうって……?」
「例えばどこに居るとか、何してるとかそんな事だよ」
「あぁ…同じクラスメートで中学から一緒だ」
「はぁ!?
じゃあお前、俺らのクラスに好きな奴居んの!?」
「茶一声デカい」
「わ、悪い…」
良かった、ここが食堂で周りがうるさくて。


