《俺には好きな人がいます。気になる人は放課後、体育館へ来てください。そこで俺は全部話します》
これで放送は終わった。だが、これは女子を騒がせるのに充分な内容だった。
「キャー王子に好きな人だって!」
「一体誰だろうね!?」
「本当に居たんだぁ〜」
アイツ、告白を断る時絶対好きな女の名前言わなかったからなぁ…
皆、断るためのただの口実だと思ってたんだろう。
……アホらし。
ああ言う奴に限って自分が絶対選ばれてると思ってる女だ。
するとそんな女らとは程遠い冷時の想い人がやって来た。
どうやら、クラスの女のバカ騒ぎについていけず困惑している様だった。
この日のために放課後、体育館を使う部活動は停止。
おまけに放送許可。
――…ここまでの無茶が通るって日頃女どもは学園長にどんな要望したんだよ?


