「…俺は冷酷な人間だ」
「また、何も伝えないまま終わるのか?
冷酷な奴がそんな苦しそうな顔するのかよ?
そんなのぶっ壊すぐらいに1回ぐらいは足掻いてみろよ?」
お前は何十人の女に言い寄られてもなびかない一途な強い想いを持ってるくせに何でそれを表に出さねーんだよ?
お前は臆病な奴なんかじゃない。
…そんな奴なら、ダチになんてなってなかった。
「そうだな…茶一、ありがとう。
俺は間違ってた。もう…全部ぶっ壊す。ぶっ壊して――足掻いてみる」
コイツはただ不器用なだけで。
でも、本当は真っ直ぐで―――誰になんと言われようと1人超然と立っていられるそんな凄い奴だ。
「おう。
俺はいつでも冷時の味方だからな」
持田でも、波里でもねぇ。
俺は冷時につく。
それから一週間後、冷時は学園長室に呼び出された。


