翌日。 俺、鈴木茶一はニヤニヤしながら朝練にも参加せず教室にいた。 ――…もうそろそろだ。 8時20分。 波里のような遅刻ギリギリに登校してくる生徒を除いてほとんどの生徒が登校している時間だ。 ジジッ きた! 《皆さん、おはようございます》 この抑揚のない冷たい声。 俺が一番良く知る声だ。 放送室で俺の親友は淡々と、だけど懸命にアナウンスしていることだろう。 そう思うと自然に笑みがこぼれる。 《俺は風上冷時と言います》 さぁ、どう転ぶのか楽しみだ。