屋上で



次の日。


さらに最悪の出来事が私を待っていた。




「波里さーん」




「………なに?」





教室に入ると一番にいじめグループのリーダーが私に笑顔で話しかけてきた。
こんな顔する時は私にとって良くないお話を報告する時だ。




最悪…




「今日ね、波里さんのことクラスの皆で話してたんだけど、"あなたに"って本を書けた波里さんの他の物語が読みたいって要望が出たの」




「え…でも、物語を考えるのは時間が結構かかるし…」




私は内心少しドキリとしながらも何とか尤もらしい言い訳を話す。




「うん、それは大変だから原稿用紙10枚程度で良いから簡単な物語書いてくれない?できるでしょ?」




「え…いや、その…」





10枚はさすがに何でも多すぎると反論しようとしたその時だった。
突然、彼女が大声を出してクラスの皆に話しかけ始めたんだ。





「ね―みんな―、波里さんの物語読んでみたいよね?」




「うん!読みたい!」

「私、"あなたに"大好きなんだ!」

「私も!私なんかもう5回も読み返したよ!!」




こんなに話しかけられたことが無かったから嬉しい。




―――けど、やっぱりちょっと胸が痛い。



チラッと風上君の方を見ると彼は机に突っ伏して寝ていた。


……ダメだ。
何風上君なんかを見てるんだ、私。
なんて図々しいんだろう。彼に頼るだなんて決してしてはいけないことなのに…