屋上で



「やっと来た」



「あ、風上君…」




まだ、帰ってなかったんだ…




「すぐに帰ろうとしないでくれる?俺、傷つくから」




はい?それは一体どういう意味なんだろ?




「それで波里に話があるんだ」




「あ、うん、話って?」




「これは本当は秘密だけど、単刀直入に言う。
"あなたに"って本書いたの俺なんだ」




―――――え?




「かざ…かみ君が、あの本の、作者?」




私の頭の中は真っ白になる。





「あぁ、そうだ。それで――――…」



「ごめんなさい!それじゃあ私はっ!これで!」




風上君の話を最後まで聞かずに私は走って逃げた。




…恥ずかしいっ!穴があったら入りたい!




私がバカみたいに作者だって言い張ってた様子を風上くんがどんな思いで見てたのかと考えるとぞっとする。


私は無我夢中で家までの道のりを走り続けた。