後輩彼氏




そう言うと響哉はぎゅっとあたしを抱きしめた。

「……っ……」

ドキドキと鼓動が速まる。

「先輩…俺先輩のこと好きです…」

耳元でささやかれる。

今まで聞いたことのない
響哉の甘い声。

「先輩、俺のこと嫌いですか…?」

不安げに響哉が言う。

「そっ…そんな訳っ…!!」

「じゃあ好き?」

じっと響哉に見つめられる。

「…っ…好きだよ…後輩としてじゃなくて…」

すると響哉は安心したかのようにニッコリと微笑んだ。

「両想いですね!」
「う…うん!!」

思わずまたドキドキしてしまう。

「集合!!!」

はっとして二人で駆け出す。

「気合い入れて部活やるよっ!!」

「はいっっっ!!!」

こうしてあたしたちは付き合うことになった。