夏休みも半ばに入ったある日。
「今日歌奈休みかぁ…」
朝に歌奈から部活を休むと連絡をもらったあたしはあまり気分がのっていなかった。
シュートもいまいち入らない。
「おはよーござますっ!!」
「あ、おはよー…」
「あれぇ、先輩、どうしたんですか?」
「歌奈が今日休みなの。寂しいよ〜」
すると響哉は少し黙って何か考えて、
「先輩」
いつもならふざけている響哉が真剣な顔であたしを見つめてきた。
「―――っ!!」
この前のこともあり思わず体が強張る。
「先輩…笑って下さい。俺は先輩の笑顔が好きなんです」
「………」
なぜか体が動かない。
「だから――先輩…俺、先輩のこと―――」
