やがてあたしたちは夏休みを迎えた。
「もう夏休みだねー」
「早いねー歳かしら」
「お前らなに朝からオバチャン発言してんだよ」
「おはよーござますっ!!」
今日もにぎやかな部活が始まった。
「はぁーお腹すいた!!」
お昼休憩に入ったあたしたちは弁当を食べていた。
「あっ初音のリンゴ美味しそう」
「あげないよっあたしの大好物なんだから!!」
そう言って歌奈に食べられそうだったリンゴを持った手を上に上げた瞬間…
「あーん」
パクッ
「!!!???」
あたしのリンゴは響哉の口にくわえられていた。
初音「あっ…あたしのリンゴー!!」
「えへへ、美味しい♪」
響哉はそう言うとあたしの指を舐めた。
「―――っ!!!」
「いつも先輩にからわれているお返しです♪」
あたしは恥ずかしさのあまり動けなかった。
「ま、まさかきょうやんがあんなことするなんて…」
あたしの鼓動は速くなるばかりだった。
