あたしは進藤初音(シンドウハツネ)、バスケ部の部長の中学三年生。
あたしたちの出会いは今年四月―――
「――…注目!ありがとうございました!!」
「ありがとうございました!!」
毎年一年生が入学してすぐに行われる「部活動紹介」。
そしてこの日から一年生は約一週間部活見学をする。
「一年生いっぱい入るといいねー」
「そうだねー」
彼女は佐沢歌奈(サザワカナ)、同じバスケ部の副部長。
「こんちゃー!!!!」
「おっ、きたきたぁー!」
一年生の男子が一人で元気よく挨拶して体育館に入ってきた。
「あれ?あのコどっかで…」
「初音、あのコ知ってるの?」
「こんちゃー!!鈴木響哉(スズキキョウヤ)です!!よろしくお願いします!!!」
「あー思い出した!!」
初音は小学校の頃、ミニバスをやっていたときにそこで響哉を見かけたのを思い出した。
「きょうやん!!あたしのこと分かる!?」
「えっ…?きょ…?あハイ、分かりますよ!先輩上手いな〜って見てました!!」
「本当?ありがとう!!」
「はいはいはいはい、盛り上がってるとこ悪いんだけど」
あたしと響哉が話していると歌奈が割り込んできた。
「響哉くんは部活見学に来たの。初音と話しに来たわけじゃないんだから!!」
「あっそうだった。じゃ、きょうやん、男子はあっちでやってるから!」
「はい、ありがとうございます!」
響哉は男子バスケのほうへ
走って行った。