「生徒に何言ってんだか…。」
そうよ…。
王子にとって私の事情なんて
どうでもいい事じゃない。
なのに、仲良くしてくれなんて
言ったところで
どうなるって言うのよ…。
「どうしたんですか?」
声の主はたぶん振り向かなくても
当たっているような気がした。
「……高崎先生。」
「俺、保険医ですけどカウンセリングも
出来るんですよ?話聞きますよ。」
どうしてこの人が
上機嫌なのか探ってみた。
案の定―――
保健室からエンジェルが出て行くのが
目に入った。
たぶんばれないように
エンジェルを庇って私に
話しかけてきた。
そう分かってるのに…
そんな理由でも…
話せたことがこんなにうれしい…。

