木枯らしが吹きすさぶ鶴見駅三番

線に、私は立ちつくしていた。

今の今までそこにいた三輌編成の

列車は、私を待たずしてその始発

駅を発車してしまった。左手を見

ると、その真っ赤なテールランプ

が、秋の夕陽に染まる車体に一際

明く輝いていた。

一面に白いペンキ塗りの、その壁

に掛かっている発車時刻表を見た

。次の電車まではまだ三十分余り

あった。

私は溜め息を漏れなく出しきると

、来た道を引き返して駅のコンビ

ニに向かった。

スナック菓子と紅茶を買ってホー

ムに戻ると、まだ明かったその留

置場は、もう薄蒼い世界を創出し

ていた。ホームの端に設けてある

ベンチに鞄を置くと、私はその横

の席にどっかと腰を落とした。