授業なんて頭に入る訳もなく、気付けば放課後。



「帰ろ。夏蓮」



「あ…うん」



私、重症だ。



一日中バンビのこと考えて記憶がない。



今日は何をしたの?



どうしてこんなに好きなんだろう。



バンビは私なんて、何とも思ってないのに。



「……夏蓮?」



「ごめん。帰ろ」



急いでバックを掴んで、廊下で待っている美華の元に走った。