「美味しかったー」
梓が連れてきてくれたケーキ屋さんを出ると辺りはもう暗くなっていた。
「やろ⁈また来ような!…今度は美佳の奴も誘って」
「そうだね」
梓はなんだかんだ言いながらも美佳の事を気にかけてくれている。
横で美佳の事を言っているけれど、楽しそうで思わず笑ってしまう。
「笑わんといてよー!」
梓とじゃれあいながら帰り道を歩く。
「あれ?アレって仲沢…?」
「え?」
梓の笑っていた顔が真顔になると、反対側の歩道を指差した。
そこには見慣れた悠真が見知らぬ綺麗な女の人と腕を組んで歩いている姿があった。

