1分後、しゃがんだ勢いでフードが取れた私は、約束通り渋々名前を教えた。



「坂本…⁈」



2人はすごいびっくりした顔をしてから満面の笑みを浮かべた。




「お前は絶対、空牙に入る!!」


と、謎の宣言してから帰っていった。



「なんなんだよ…」







次の日から2人はやたらと私に絡んできて、今日は4日目。


「きぃーさぁー!!」


「うっわ…。キモ…」



両手を広げて走ってくる徳永大和をみてぼそっと呟いた。



「…祥ー!!希沙がいじめるー!!」


「ホンマのこと言ってんやからしゃあないわ」


「俺…泣きそう」




なんて泣き真似をするのを見て、思わず笑ってしまった。


すると2人は目を見開いて、こっちを見てくる。


その顔はだんだんと笑顔に変わっていき…


「笑ったー!!」



一番嬉しそうなのが徳永大和だった。


なんで…??


私が笑っただけじゃん。


なんでそんなに嬉しそうにするの??




私にはわからないよ…。