「梓…めっちゃ強いやんけ」



「そう?」






決着はすぐに着いた。



20人近くいた男達は、全員地面に伸びている。






「喧嘩…か」



「…これは、誰かを守る時だけしか使うなよ」




空を見上げたうちに、海里は言った。




「なら、うちは海里を守るために使う」



「…そうか。俺も梓は守る」






少し悲しそうに笑う海里がうちは今でも忘れられやん。








それから次々に喧嘩をふっかけられるようになり、関西最強とまで言われるようになっていた。







そんな日が続いていたけど、中3の秋。


両親の転勤が決まり、こっちに転校してきた。





龍とはあの事件以来話すことはなかった。


もちろん、藍とも。



うちは、逃げたんだ。











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