「いっ⁈」 痛かったらしく、顔を歪め、掴んでいた腕から力が抜けた。 「汚い手で梓に触ってんじゃねえよ」 睨みながら、掴んでいた手を離した。 「おまっ…何もんや‼︎」 掴んだ所を抑えながら、ギャーギャー騒ぐ。 うるっせぇなあ。 私は少し離れたところで腕を組んだ。 「ただの女子高生ですけど」 「嘘つけ‼︎ただの女子高生がこんなに握力強いわけあるかあ‼︎」 「あーもー、うっせえな。黙れや」 「てめぇ…」 ギリギリと握りしめた手が見えた。 あー、そろそろくるな。