姫と彼等の物語





だってさ、みんな松石 愛羅って子が私に何か言ってきた時


めっちゃイヤそ~な顔してたのに、
何も言わなかった。



そして、


他人の会社を気にするみなさん。



〝観月〟がスゴイのかは分かんないけど…


もし、小さい企業だったら見下される訳でしょ?

かといって
大きい企業だったら、敬語とか使われそうだし…



「……知らないの。だから一般人と思って接してくれる?」




「うん!あっ、私ね、沢田歌音って言うの♪悠たちとは幼なじみよん☆」


カノンって呼んでね♪
とにこやかに言われた。

幼なじみねぇ…

「沢…じゃなかった。カノンちゃんの家も相当大きいんだ?」



だって、悠君の幼なじみでしょ?



「あ~、まあまあってトコかな」


そう、カノンちゃんが言ったのに被せるように悠君が

「歌音の家は企業じゃねぇよ」

そう言った。


企業じゃない?

「もう!悠!!…あ、家は芸能事務所なんだ☆」


━━キーンコーンカーンコーン
━━ガラカラッ

チャイムと共に先生が入ってきた。


「席につけ~」

先生の右手にはプリントの山

左手にもプリントの山。

何のプリントか疑問に思った。
その解答を言うように

「選択教科でとる教科を選ぶプリントを配る」

よく考えて選べよ

と先生は言う